前回のブログに続いて、今回は申請時の添付書類について少し注意を必要とするものについて説明します。

国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業特定認定申請・変更認定申請等の手引き

〇添付書類についての注意点

特区民泊の申請には、申請書の他に下記の書類の添付が必要となります。

1.申請者が法人である場合には、定款又は寄付行為及び登記事項証明書(役員等の名簿も添付すること)

→申請者が株式会社などの場合は定款の添付が必要です。寄付行為とは学校法人や医療法人、また財団の目的、内部組織、運営等について定められた基本的規則で株式会社などの定款に代わるものです。

3.賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款

→ここでご説明している特区民泊は、ホテルや旅館などのように旅館業法による許可を受けて宿泊場所の提供をしているのではなく、賃貸借契約やそれに付随する契約に基づいて建物・設備を使用させるものになりますので、宿泊者との間で、賃貸借契約を結ぶ必要があります。また、その賃貸借契約書は、日本語で記載されたものだけでなく、宿泊する外国の方が理解できる言語でも作成する必要がありますので、英語や中国語による契約書を作成し、添付するのがベターだと思います。

国土交通省は「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」として、外国人との契約書の雛型(定期賃貸住宅標準契約書)をホームページに掲載していますが、この雛型は通常の定期賃貸借契約のものとなっていますので、民泊に対応できるような内容(例えば宿泊料の支払いの時期や種々のトラブルに対する取り決めなど)に修正しておくべきでしょう。

5.施設の周辺地域の住民に対する説明の方法及びその記録(説明に使用した資料を含む)

→説明会の実施状況に関しては、開催日時、場所、説明者、出席者などの他に寄せられた意見やそれに対する回答内容を記載し添付するとともに、説明会以外に個別に問い合わせがあった場合の説明や対応状況も記載する必要があります。手引書(国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業 特定認定申請・変更認定申請等の手引き)に文例が添付してありますのでそれに則って作成をしてください。

6.施設の周辺地域の住民からの苦情及び問合せに適切に対応するための体制及びその周知方法

→これは、リンクを貼った「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業特定認定申請・変更認定申請等の手引き」の様式2及び様式2-2をしっかりと記載してください。同等のものであれば、別の書式でもよいとのことです。

7.消防法令適合通知書の写し

→この内容に関しては、このブログ「10. 特区民泊の消防法令の適用について」で詳しく触れていますので、確認をお願いします。
 ⇒10. 特区民泊の消防法令の適用について

8.水質検査成績書の写し(使用水が水道水以外の場合)

→通常、大阪市内の住宅であれば水道水だと思いますので、その場合は添付不要です。

10.マンションの管理規約に違反していないことを証する書類

→分譲物件を特区民泊で使用する場合などは管理規約に違反していないことを証する書面が必要です。国土交通省が提示しているマンション標準管理規約には、第12条に以下の条文が定められています。

「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない。」

特区民泊はあくまでも住宅を賃貸借するという形態であるため、上記の条文を用いている規約であれば、問題がないようにも思えますが、大阪府、大阪市の場合には、マンションの管理組合の規約の解釈に委ねています。ですので、規約に違反していないことを確認や証した旨の書類の提出を求め、その提出があれば特定認定の対象としています。

以下のような書類を添付する必要があります。

可能であれば、後々の証拠のためにも、<管理組合による確認書>を取るのがベストだと思われます。

11.付近見取図

→この見取図は周辺地域の住民への説明対象範囲がわかるものになります。

12.居室内に備え付ける施設の使用方法に関する案内書

→日本語及び役務の提供において使用する外国語により作成されたものを添付してください。

また、廃棄物の処理体制に関しては、申請の前に、「廃棄物の処理方法」を記載した書面にて、事前に環境局へ説明を行い、「廃棄物の適正処理に関する説明をおこなったことを確認する印」の交付を受けてください。

(参考)廃棄物の処理方法

次のブログでは、特区認定を受けていない区域で365日民泊を行える方法についてご説明します。

旅館業法に基づいて民泊サービスを提供する方法(簡易宿所)

⇒民泊開業についてのご相談は、関西民泊開業支援センターまで。