〇大阪市の適用

大阪市内にて特区民泊を運営する場合、建物の消防法令上の用途は、「旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの」とされます。その場合、民泊施設の広さに係わらず、自動火災報知設備の設置が必要となります。
ただし、延べ床面積が500㎡以上のマンション等にはもともと自動火災報知設備の設置義務がありますので、新たに設置する必要はありません。そこそこ大きなマンション等であれば自動火災報知設備が設置されていると思いますので問題はないかと思いますが、比較的小規模なアパートなどの共同住宅で民泊を行う場合には、延べ床面積の規模や民泊部分が占める割合によって、自動火災報知設備の設置の取り扱いが異なってきますので注意が必要です。

〇一般的な戸建てを特区民泊で使用する場合

(自動火災報知設備の設置)

一般的な一戸建て(建物の延べ床面積300㎡以内で2階建てまでのもの)の場合には、簡易な自動火災報知設備(特定小規模施設用自動火災報知設備)の設置が必須となっています。特定小規模施設用自動火災報知設備特小自火報は乾電池を使用するため配線工事や受信機の設置が不要であり誰でも設置が可能ですが、連動型住宅用火災警報器(連動型住警器)は特小自火報の感知器に該当しませんので、必ず、火災報知機工業会ホームページ等で販売店を確認し購入するようにしてください。また、3階建ての戸建ての場合も、要件を満たせば、特定小規模施設用自動火災報知設備の設置が可能となりますので、ガイドライン等を十分に確認してください。

民泊を始めるにあたって[消防法令関連](総務省消防庁・住宅宿泊協会)

火災報知機工業会HP

(その他の必須事項)

・誘導灯の設置:条件を満たす場合には誘導灯の設置を免除される場合もあります。
・防炎物品(カーテン、絨毯等)の使用:カーテンや絨毯などを用いる場合には、防炎性能を有するものを使用しなければなりません。
・消防用設備等の点検報告:点検年2回、報告年1回が必要です。

(場合によって必須となるもの)

・消火器の設置:建物の延べ床面積が150㎡以上、或いは地階・無窓階・3階以上の階で床面積が50㎡以上のもの

以上は、一般的な一戸建てに関する説明でしたが、アパートやマンションなどで民泊を行う場合には、消防法令上求められる対応が異なってきますので、必ずガイドライン等をご確認ください。

〇消防法令適合通知書について

以前のブログ「住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊」でも触れましたが、特区民泊の認定申請においても、消防法令適合通知書の添付が必要です。
申請の流れは、「住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊」と大きく異なりませんので、そちらをご確認ください。

消防法令適合通知書について

〇防火管理者の設置と防火管理体制の整備

これも「住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊」と同じですが、収容人数が30人を超える場合には防火管理者の選任が必要になってきます。(50人を超える場合などは、より深い内容の講習を受講した防火責任者の選任が必要です。)
防火管理者とは、防火管理に係る消防計画を作成し、防火管理上必要な業務(防火管理業務)を計画的に行う責任者を指します。防火管理上必要な業務とは消防計画の策定や消防訓練、防火設備の点検などです。

また、一定規模以上の建物の階数や高さ、収容人数がある場合には、統括防火管理責任者の選任や防火対象物点検報告などが必要となってきますので、該当しそうな場合には、必ず事前に所轄の消防署に相談をしてください。

次のブログでは、その他の対応すべき事項についてご説明します。

特区民泊で対応すべき事項

⇒民泊開業についてのご相談は、関西民泊開業支援センターまで。