〇飲食店営業許可とは
皆さんもご存じのように、喫茶店を含む一般的な飲食店を開業する場合には所轄の保健所から「飲食店営業許可」を得る必要があります。飲食店の営業許可はお店の中で調理したものを提供する場合や午前0時までのお酒などの提供を行う場合に必要な許可です。
深夜帯(午前0時以降から、朝の6時までの間)に主としてお酒を提供する業態のお店を開業する場合には、飲食店営業許可とともに「深夜酒類提供飲食店営業開始届」の届出が必要となります。こちらは警察署を経由して公安委員会への届出することになります。
主としてお店でお酒を提供する業態の店舗とは、居酒屋やダイニングバーなどお酒の提供をメインとするお店を指します。反対にお酒の提供はあるが、主に食事をメインとする場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届」の届出は必要ありません。例えばお好み焼き屋さんではあるが、ビールなども提供する場合などです。
開業しようとするお店が主としてお酒を提供する業態となるのかどうかの線引きは難しいですが、こちらは警察署の判断となります。判断が難しい時には事前に警察署に相談するようにしましょう。無許可で主としてお酒を提供しているとみなされた場合、2年以下の懲役や200万円以下の罰金、もしくはその併科とされる場合もあります。
〇飲食店を開業する場合に必要な資格
①「食品衛生責任者」
食品衛生責任者とは、HACCP(衛生管理の国際的な手法)に沿って衛生管理を行うなどお店における衛生管理にあたる人のことです。
→HACCPとは
食品衛生責任者になるためには、次のいずれかの条件が必要です。
・栄養士、調理師、製菓衛生師などの有資格者
・都道府県知事等の実施する、または適正と認める講習会の受講修了者
詳しくは以下をご覧ください。
→食品衛生責任者の設置(大阪府)
食品衛生責任者は、営業者の指示に従って衛生管理を行いますが、衛生管理者が退職してしまったなどの状態のまま営業を行った場合には行政処分の対象となりますので、はじめて飲食店を開業する場合には、営業者自身が衛生管理責任者であるほうが好ましいでしょう。
講習会受講希望で大阪府の方は、公益社団法人大阪食品衛生協会のホームページより開催日や申込期日をご確認ください。
→大阪府食品衛生協会HP
②「防火管理者」
防火管理者とは、多くのひとの利用がある建物の火災被害の防止のために、必要な安全対策を定め、防火管理上必要な業務を行う責任者を指します。
飲食店を開業する際に、全ての店舗で防火管理者が必要というわけではありませんが、客席数が30席以上ある場合には、管理者の設置義務があります。
また、そのうち店舗の延べ床面積が300㎡(約90坪)以上の場合には、甲種防火管理者、未満の場合には乙種防火管理者という区分けがあり、甲種防火管理者の方が、取得のための講習日数が長くなります。(甲種:2日、乙種:1日)
また、客席数が30席以下でも、テナント店舗(オフィスビルなどの一部の区画を建物のオーナーから借り受けて、店舗として使用する場合など)の場合には、防火管理者が必要となる場合もありますので、必ず管轄の消防署へ確認をするようにしましょう。
大阪府の場合、防火管理者になるための講習会は、「一般財団法人大阪府消防防火協会」や各市町村のホームページで日程等が公開されておりますので、ご確認ください。
→一般財団法人大阪府消防防火協会HP
→大阪市HP
次のブログでは、飲食店営業許可取得までの大まかな流れと注意点についてご説明します。
→飲食店営業許可申請に関するご相談は、加賀田行政書士事務所まで。