〇特区民泊とは

国家戦略特別法に基づく民泊(特区民泊)は、産業の国際競争力や国の成長戦略推進を目的として、特例として国から認められたエリアにおいて認定を受けたうえで、営業を行うことが可能となる民泊を指します。年間の営業日数に下限はないので、年間180日の上限が決められている住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく民泊よりも大きな収益を見込むことも可能です。
また、1泊2日の短期滞在者の宿泊は認められておらず、最低でも2泊3日を下限とした宿泊日数が必要となります。

内閣府の資料によると、令和5年11月30日時点での全国の特区民泊の居室数は12,080室となっており、特筆すべきは、大阪府内の特区民泊数は全国の約97%、特に大阪市内だけで全国の96%強を占めています。また、全体の3分の1強は個人事業者として運営しています。

コロナ過の中で減少していた民泊の数も大阪市では特許民泊、民泊新法による民泊ともに2023年度に入り増加傾向にあるようです。

〇大阪市内で特区民泊を実施できるエリア

さて、全国でTOPとなる特区民泊の実施エリアである大阪市において、実際に特区民泊を実施できるのはどの区域になるのでしょうか。

原則として、特区民泊は「ホテル・旅館」の建築が可能な用途地域(第一種住居地域にあっては 3,000㎡以下)を事業実施地域とされています。「ホテル・旅館」の建築が可能な用途地域とは、第二種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、第一種住居地域(第一種住居地域にあっては、1棟あたりのその用途に供する部分の床面積の合計が3,000㎡以下)です。3,000㎡というと約1,800畳分の広さですのでかなり大規模な宿泊施設となりますので、それ以下の民泊であれば、大阪市内のかなり大部分の区域において特区民泊が可能です。
(実際に特区民泊が可能なエリアかどうかは、下記にてご確認ください。)

→(参考)マップナビおおさか 都市計画情報(用途地域)

〇大阪市内で特定民泊を行う前に確認すべきこと

大阪市内で特区民泊を実施する際にまず確認すべきことは、以下の点です。

・所在地が国家戦略特別区域にあること
・大阪市の場合、一人当たりの最低宿泊日数は2泊3日~最長宿泊日数9泊10日の間に限られること。
・一居室の床面積は、 25 平方メートル以上であること。
この面積には、風呂、トイレ、台所、クローゼットを含みますので、下記のような1Kのお部屋でも25㎡を満たしていれば大丈夫です。

その他、防湿や排水設備の設置、衛生を保ちやすい絨毯やクロス、換気設備などの施設要件や浴室、洗面所、トイレなどで望ましい条件などが定められています。
・建築基準法に基づく用途の扱いに関する事項(例えば、用途が「住居」など以外の場合には用途変更が必要など)があります。
・区分所有建物の場合には、管理規約で民泊として使用することを認めているか。また規約に記載のない場合には管理組合の決議で同意が取れるかどうか。

その他、いろいろと事前に確認すべきことはありますが、上述したことは必ず確認しましょう。

次のブログでは、消防法令関連について説明します。

特区民泊における消防法令の適用

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