株式会社の経営においては、法人税や法人住民税、法人事業税などの税金が課されます。会社を設立すれば、税務署等へ設立の届出が必要となります。
☆このページのPoint
〇税金関連の届出にはどのようなものがあり、どこに、いつまでに届出する必要があるのか
〇インボイス発行事業者の登録によるメリット、デメリット
〇法人税、法人住民税、法人事業税に関する届け出
会社はその事業活動について生じた所得に対して税金を納める必要があります。税務署や地方自治体は会社が設立されたとしても、届け出がなければ設立の事実を知ることができませんので、会社設立後2か月以内に税務署、都道府県、市町村に対して設立の届け出書を提出します。
株式会社を設立した場合の届出書類
①法人設立届出書・・・所得税の納付(本店所在地の管轄税務署へ届け出)
②法人設立等申告書・・・法人府民税、事業税の納付(本店所在地の管轄府税事務所へ届け出)
③法人設立・事務所等開設申告書・・・法人市民税の納付(本店所在地の管轄市税事務所)
〇青色申告をするための申請
青色申告とは事業所得などに対して一定水準の記帳をもとに確定申告することによって、税法上の特典を受けることのできる制度です。(たとえば、青色申告をすることによって最大65万円の特別控除を受けることができたり、赤字を3年間繰り越しすることも可能です。)
通常、設立の1期目から青色申告を行いたい場合には、設立の日から3か月以内に「青色申告承認申請書」を所轄の税務署に提出します。
そのためには「複式簿記」による帳簿付けや提出しなければならない書類も多くなりますので少し面倒な部分もありますが、税金面でのメリットはやはり大きいですので、頑張って青色申告をすることをお勧めします。
〇給与支払事業所等の開設届出書
従業員を雇用し給与を支払う場合には、「給与支払事業所等の開設届出書」を所轄の税務署に提出します。仮に会社を設立した当初は従業員がいなかったけれど、後日新たに雇用するようになった場合には、雇用の日から1か月以内に届け出をしなければなりません。アルバイトやパート職員を雇う場合にも必要となります。
〇源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
これは必ず提出しなければならないものではないのですが、給与を支払う人数が常時9人以下の場合には、この申請書を提出することによって、会社が毎月納付しなければならない源泉所得税を半年ごとに納付することができるようになります。こちらも所轄の税務署に申請書を提出します。
〇適格請求者(インボイス)発行事業者の登録
これは新規に会社を設立した場合に限らず、個人事業主として事業を始める場合にも当てはまりますが、適格請求発行事業者としての登録をするかどうかを決める必要があります。
法人設立後は当然前年、前々年の売上がありませんので、2年間は消費税の免税事業者となります。消費税を益税(年間売り上げ1000万円以下の中小企業の負担を軽くするために消費者が支払った消費税を納税しないでよい制度)として収益とすることができますが、反対に設立したあなたの会社から商品などを仕入れる取引先が仕入税額控除できないため、あなたの会社との取引を敬遠する可能性もあります。
ですので、適格請求事業者登録をするか否かは、設立した会社の業態や販売する商品、取引先や顧客が誰なのか等をよく考えて判断するべきでしょう。
仮に新規設立した会社が設立の最初から適格請求事業者として事業を行うために、新設法人等の登録時期の特例がありますので、それに則って手続きをしてください。具体的な手続きとしては、設立後から最初の課税期間の末日までに、「課税選択届出書」と「適格請求書発行事業者登録申請書」を所轄の税務署に提出してください。
詳しくは、国税庁のホームページ(適格請求書発行事業者の登録制度11ページの問11)をご確認ください。
→国税庁ホームページ
次のブログでは社会保険関連の加入手続きについてご説明します。
→会社設立に関するご相談は、加賀田行政書士事務所まで。