☆このページのPoint
〇本店所在地を管轄している都道府県内の公証役場において認証が必要
〇作った定款は事前にチェックを受けましょう
〇定款認証に必要な書類と注意点とは

〇定款の認証とは

定款が作成できたら公証人に定款の記載内容に問題がないかの確認を受ける必要があります。公証人とは私たちが私人として法律行為を行う場合に生活や財産などの権利を守ることやトラブルなどが起きないように事前に契約書を作成してくれたり、会社の設立時の定款の認証を行う人たちのことで、裁判官や検察官、弁護士などを長年にわたって務めた方たちでもあります。

公証人は公証役場で業務を行っており、全国には約300か所、大阪には梅田や本町、難波、高槻、堺など11か所の公証役場があります。大阪に本店を設置しようとする場合には、この11か所のどの公証役場に認証を受けても大丈夫ですが、京都府や兵庫県にある公証役場で認証を受けることはできません。また、株式会社の設立では、必ず公証役場で認証を受けなければなりませんが、持分会社である合同会社、合資会社、合名会社を設立する際の定款は、認証を受ける必要はありません。

〇定款認証の流れ


定款認証を行うためには、まず公証役場で予約を取る必要がありますが、その前に公証役場で事前チェックを受けましょう。公証役場に連絡を入れ、作成した定款の内容をチェックしてもらいたい旨を連絡すれば大丈夫です。チェックで問題のないことが確認できれば、設立をする会社の本店所在地を管轄する公証役場で予約を取り、予約当日に必要書類や手数料を持参します。公証役場には原則として発起人全員が公証役場に行くことになっていますが、行くことができない発起人がいる場合には、代理人への委任が必要となります。

定款認証の必要書類等として以下のものが必要です。

(定款認証での必要書類と注意点)
・定款3通
・実印(発起人全員)
・発起人全員の印鑑登録証明書
・実質的支配者となるべき者の申告書
・実質的支配者となるべき者の身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなどの顔写真付きのもの)
・認証手数料(約3万~5万円)
 ※令和4年1月1日から上記のように新しい手数料額になります。
・収入印紙(4万円)
・謄本発行手数料(1ページにつき250円・・・約2,000円程度)

発起人に未成年者がいる場合や発起人自身が株式会社である場合などでは、前述のほかに必要な書類がありますので、ご注意ください。

実質的支配者とは株式会社の経営(意思決定や事業運営)を実質的に支配することのできる関係にある者のことを指します。公証人はこの実質的支配者となるべき者が暴力団員や国際テロリストに該当する場合や該当するおそれのある時には必要な説明を求め、場合によっては認証をしないこともあります。実質的支配者の該当条件は法律によって定められています。銀行で会社の口座を開設する場合に求められることもありますので、定款が認証されたら必ず「実質的支配者に関する申告受理及び認証証明書」(無料)の発行を依頼しましょう。

手数料等としては、収入印紙代や定款認証手数料、定款謄本発行手数料などで7~9万2,000円前後が必要です。ただ、電子定款認証(定款を電子文書形式にしてインターネットで申請)する場合には、収入印紙代の4万円は不要となります。しかし、手間等を考えるとこれに関しても専門家に依頼をするほうが良いでしょう。

定款の認証の際に、訂正が入る場合もありますので、特に数人の発起人がいる場合などは、事前に定款の末尾に発起人全員の捨印(捨印は定款に誤り等があった際に押す「訂正印」と同じ役割を果たします。)を押しておきましょう。
定款が受理されると、提出した3通の定款のうち1通は公証役場の保管用、2通は「謄本」という朱印が押され、そのうち1通を法務局で登記をする際に使用します。残りの1通はご自身の保管用となります。保管用の謄本は、会社名義の銀行口座を開設する際などに必要ですので、大切に保管しましょう。余分に発行してほしい場合には、その分の定款を提出し、謄本発行手数料を追加で納付すれば大丈夫です。

専門家に定款作成等の依頼を行い、電子認証を行う場合には、公証役場で受け取るものが上述の内容と少し異なりますので、専門家に確認してくださいね。

これで、定款の認証が終わりましたので、次に発起人の出資払込みについて説明します。

発起人の出資払込みについて

→会社設立に関するご相談は、加賀田行政書士事務所まで。