前回のブログでは、借地権を相続した場合について触れましたが、今回は借地権の遺贈を受けた場合について解説します。

遺贈とは

遺贈とは、お亡くなりになった方の遺言によって、その財産を特定の誰かに財産を引き継がせることを言います。

遺贈を受けた方が、法定相続人であれば、前回のブログ同様に地主さんへの承諾は不要ですが、法定相続人以外の方への遺贈の場合には対応の仕方が異なってきます。

法定相続人以外への遺贈

法定相続人以外、例えばまだ配偶者や子供が生存中に孫に遺言によって遺贈する場合や生前お世話になった方に遺贈する場合などは、地主さんの承諾が必要になります。また、承諾料が必要になるケースも多いです。

法定相続人以外の方へ遺贈が行われた場合には、次のような手続きを行う必要があります。

① 遺贈を受けた方と遺贈義務者(遺言書に記載された遺贈を実行する義務を負う人)が連署して、地主さんに対して通知を行い、承諾の請求を行う。

② 地主さんが承諾の通知を行う。(内容証明等を使うのがベスト)

③ 建物の所有権の移転登記を行う。

これで、受遺者(遺贈を受けた方)と地主さんとの関係が、賃借人と賃貸人の関係となります。

地主さんが承諾しなかった場合

上記のように、地主さんが借地権の遺贈を承諾した場合は良いのですが、承諾しなかった場合にはどうなるのでしょうか。

この場合は、家庭裁判所へ申し立てを行うことが可能です。家庭裁判所によって「地主さんの承諾に代わって許可」を得ることができれば、借地権の譲渡は有効に成立します。

ただ、家庭裁判所への申し立てが却下された場合には、借地権の遺贈は成立しなかったことになります。

いづれにしましても、地主さんが借地権の遺贈を承諾しなかった場合には、弁護士さんに相談することをお勧めします。

⇒不動産や相続について、相談したいことがあるときには、加賀田行政書士事務所まで、ご連絡ください